新しい趣味を見つけよう ~俳句とドイツのノート編~
ドイツでの生活にも慣れ、語学学校にも慣れ、何か新しいことをしたいなと思うようになってきました。そこで、時間ができたらやってみようと日本にいるときから思っていたことと、ドイツに来て思い始めたことを一つ一つ試みている日々です。こんなに時間がある時は人生で最後なのかもしれない。ありがたい時間であることを自覚して毎日を過ごそうと思う。新しい趣味を見つけたいと思います。
この記事では一番やりたかったこと”俳句”について書きます。俳句は日本にいるときからやりたかったことです。歳時記と初心者向けの解説本を日本から持ってきました。俳句のためのアイディアや感じたことをしたためておく句帳が欲しくなったので、デュッセルドルフで探しました。ドイツ人も日本人と同じで文房具が好きなようで、文房具探しはとても楽しいです。
デュッセルドルフで一番大きな本屋さん、Mayersche Buchhandlungで発見。本屋ですが、雑貨や文房具も面白いこだわりのあるものがたくさん見つかります。
雑貨もたくさん売っています。
どれもバイヤーがこだわっているのだろうと思うセンスのいい雑貨です。9月あたりからクリスマスの商品が並ぶようになりました。
こちらは手帳です。
毎日、もしくは毎週、その時期に合ったお話が読めたり、Yogaのポーズを試したり、おすすめの食事が紹介されていたりと工夫されている手帳。
村上春樹人気はドイツでも健在のようです。
休みの日は吟行(詩歌を作るための散歩や旅行)に行きます。
夏が終わると急に曇りの日が増え、秋晴れというのは非常に珍しいドイツの秋でした。ドイツでは秋というのは暗くて寒い冬の始まりなのだと思います。しかし、晴れると緑の多い街は、青空と黄葉のコントラストがとてもきれいです。秋に晴れるって日本ではよくあることですが、実はとってもありがたいことだったんだと実感。
吟行で題材を集めた後はカフェで作句します。
お気に入りの句帳と美味しいコーヒーです。しかし、全然うまくなりません。
まぁ気長にですね。それが趣味ですから。
俳句を始めて気づいたのは、私は"人と違う"ことがとても大切だと思っているということ。なので、他人と同じような発想しかできない自分が本当に嫌になります。『山紅葉』という季語で作句しようとすると「あ~、山が化粧をしているみたいだなぁ」なんて思います。そんな句は吐いて捨てるほどあるのに。
その一方で、どんな平凡な人でも、気持ちや体験を上手く言葉にできないだけで、その人独特の感覚があると信じている。気持ちや体験を言葉にするには精進が必要で、その努力を怠っていると、どんどん凡人になっていく。
何を見ても「かわいい」とか「やばい」とか「びみょう」とかいう言葉で片付けているうちはどんなに温かで胸を焦がす体験も、悲痛な胸をえぐられるような経験も、ごくごく平凡な何の味もないものになってしまうのではないかと思う。
いつか、何度も読みたくなる、味のある句が詠めるようになりたい。そのために観察眼を磨きつつ、自分の中から言葉を紡ぎだす努力を怠らないように、大切に毎日を過ごしたいと思う今日この頃です。