娘が生まれた日
こんにちは、ぼのにっきです。
寒いですね。急速に木の葉は落ち、秋は終わってしまいました。
そしてドイツ二度目のロックダウン。でも小売りはやってるし、
レストランで飲食することもしばらく難しいので、耐えることができそうです。
2020年10月23日 17時55分
第一子となる女の子をデュッセルドルフで出産しました。
陣発から23時間と長丁場でしたが、硬膜外麻酔を使用して何とか生まれました。
ドイツの無痛分娩は計画分娩ではなく、陣痛当日「麻酔使いたい!」という妊婦の申し出により、麻酔科医が「よし。わかった!」とやって来て実施するものです。計画ではないので事故や急患なんやかんやで麻酔科医が対応できないときは実施できません。その不安はあるものの、保健適応で無痛分娩できるなんて本当にありがたい。
麻酔は子宮口5cm開いた後、使えるようになります。
子宮口5cmまでは、耐えないといけない。子宮口5cmまでがどれほど痛いかというと、全然軽いものではありません。人生最大の痛みです。麻酔使ったといっても、
陣痛を経験しているし、産褥期が辛いのは無痛も同じ。こんなに辛くて、終わりの見えないお産と産褥期を経ても、二人目が欲しいと思うお母さんは本当にすごいと思う。
赤ちゃんを出すためいきむとき、「このお産を終わらせられるのは私しかいないんだーー!!」と思って、必死にいきみました。赤ちゃんに会いたいとかではなく、早くこのお産を終わらせたい一心。陣痛が短くてなかなか赤ちゃんが下りてこないため、陣痛を長くする薬が点滴され、男性医師のヘルプが入り、お腹を一の腕でグイっと胃から股に向けて強く押す。そんなこんなで押し出されて生まれてきた我が子は、3490gの女の子でした。
生まれるよー!という助産師さんの声があったかなかったかわかりませんが、
『ドュルン』という感覚が股にあった直後、胸の上に血まみれの我が子が置かれました。
本当に私の中に人間の赤ちゃんがいたんだ。妊婦検診のエコー映像だけでは疑わしかった疑惑が明らかになりました。私の中で育った命。頭があって、体があって、髪の毛があって、手の爪は硬くて、体はとても温かい。それは人間の女の子。
妊娠中、生まれた瞬間に自分は何を思うのか楽しみにしていました。
が、思ったことは何もなかった。「あ、お、え?!」と頭真っ白でした。
「可愛い―」などと思うことはなかった。ただただ圧巻。人が人を生むということ、
それは美談でも感動ストーリでもなく、こうして何万年も人間は命を繋いできて、
私もその一部なのだと思い知らされることだ、とふっと思いました。
それはとても静かな興奮で、大きな安堵を与えてくれる感覚でした。
もし、「日本の少子化対策、どうすればいいと思いますか?」と聞かれたら、
つわり休暇と無痛分娩保険適法の実施、産褥期の夫の休暇取得義務付け
と答えるでしょう。これらが実現できるなら、私は2人目産んでもいいなと思える。
私の妊娠、出産、産褥期(今)に関わってくれたすべての人、
社会のシステムに感謝できる。その幸せを今噛みしめている今日この頃です。